任意売却の費用はいくら?──仲介手数料の上限と、コンサル料を見分ける方法

※当サイトは不動産会社(城久株式会社)が運営しています。当ページには当社の売却相談の案内が含まれます。

先に結論をお伝えします。

  • 任意売却でかかる主な費用は、仲介手数料・印紙税・抵当権抹消の登記費用です。仲介手数料には法律で上限があり、売買価格が400万円を超えると税込で「価格×3.3%+6.6万円」が上限です
  • これらは売却代金から差し引ける場合があります。住宅金融支援機構も、手続に協力する場合に仲介手数料や抹消登記費用等を売却代金から控除できる場合があると案内しています。手元資金がないことが、ただちに売却をあきらめる理由にはなりません
  • 法律上、宅地建物取引業者は媒介の報酬の上限を超えて受け取れず、報酬以外の名目での受領も原則として認められていません。「コンサルティング料」「着手金」「事務手数料」を別に求められたら、その根拠を書面で確認してください
  • 今週やることは、①売却にかかる費用の見積りを書面でもらう ②債権者に「売却代金から控除できる費用」を確認する、の2つです。費用の確認は、媒介契約を結ぶ前に済ませます

「任意売却をしたいけれど、費用が払えない」「無料と書いてあるのに、あとから請求されないか心配」。滞納している方から多く聞かれる不安です。費用の不安は、内訳と上限と「誰が払うのか」を分けて見ると、かなり小さくなります。

この記事では、任意売却でかかる費用を法令と公的機関の資料にそって分解し、別名目の費用を見分ける方法、確認するタイミング、相談先の切り分けを整理します。滞納から競売までの全体の流れは柱記事「住宅ローンを滞納するとどうなる?」に、月数の目安つきでまとめています。

任意売却でかかる費用の全体像

まず、売却のときに生じる費用を一覧にします。金額は目安で、物件や依頼先によって前後します。

費用 金額の決まり方 売却代金からの控除
仲介手数料 法律で上限あり(次章)。不動産会社が自ら買主になる場合はかからない できる場合がある(債権者の判断)
抵当権抹消の登記費用 登録免許税は不動産1個につき1,000円。司法書士の報酬は事務所により異なる できる場合がある(債権者の判断)
印紙税 契約金額で決まる。1,000万円超5,000万円以下は軽減後1万円 債権者により扱いが異なる
マンションの管理費・修繕積立金の滞納分 滞納している実額 債権者・管理組合との調整による
コンサルティング料などの別名目 法律上の根拠が見当たらないことが多い 支払う前に根拠を書面で確認

※印紙税の軽減は令和9年3月31日までに作成される契約書が対象です(国税庁タックスアンサーNo.7108)。登録免許税は登録免許税法別表第一によります。

マンションの管理費等の滞納は見落とされやすい項目です。区分所有法は、管理費等の債権は区分所有者の特定承継人に対しても行うことができると定めています(建物の区分所有等に関する法律第8条)。買主に請求が及びうるため、売却の際に精算が必要になることがあります。滞納額は管理会社に確認しておいてください。

仲介手数料の上限と計算のしかた

宅地建物取引業者が売買の媒介に関して受けることができる報酬の額は国土交通大臣が定め、業者はその額を超えて報酬を受けてはならないとされています(宅地建物取引業法第46条)。さらに同法第47条は、不当に高額の報酬を要求する行為そのものを禁じています。

国土交通省の案内による、売主・買主の一方から受け取れる上限(税込)は次のとおりです。

売買価格の部分 上限の料率(税込) 計算例(上限額)
200万円以下の部分 5.5% 1,000万円 → 39.6万円
200万円超400万円以下の部分 4.4% 1,500万円 → 56.1万円
400万円超の部分 3.3% 2,000万円 → 72.6万円

段階ごとに計算して足すため、400万円を超える取引は「売買価格×3.3%+6.6万円」で同じ額になります。たとえば1,000万円なら、33万円+6.6万円=39.6万円です。これは上限であり、これより低い額で合意することもできます。

なお2024年7月1日から、価格800万円以下の宅地・建物(低廉な空家等)については、使用の状態を問わず、依頼者の一方から税込33万円以内まで受け取れる特例が設けられています。国土交通省は、この特例を使う場合は媒介契約の締結の際にあらかじめ報酬額を説明し、合意する必要があるとしています。地方の戸建てなどで売買価格が低い場合は、この特例が使われるかどうかを契約前に確認してください。

不動産会社が自ら買主になる場合は媒介ではないため、仲介手数料はかかりません。違いは「任意売却と買取の違い」で整理しています。

返済が苦しくなった家の売却は、当サイト運営の城久株式会社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第114307号/取引態様:当社が買主となる売買(直接買取)または媒介)がご相談をお受けしています。事情のある家も、まずご相談ください。売却について相談する(お電話 03-6824-4499/受付 10:00〜18:00)

誰が払うのか──売却代金からの控除と手元資金

費用の不安の中心は「先に払うお金がない」ことです。ここは債権者の運用で決まります。

公的な例として、住宅金融支援機構の案内では、同機構の任意売却の手続に協力する場合、状況により売却代金から不動産仲介手数料、抹消登記費用等を控除できる場合があるとされています。残債務の状況等により、延滞損害金の減額の相談に応じられる場合があるとも記載されています。

つまり、債権者が同意すれば、仲介手数料などは決済のときに売却代金の中から支払われ、売主が事前に現金を用意しなくて済む場合があります。一方で、どの費用を控除の対象にするかは債権者ごとに異なります。公的な案内で確認できるのは、仲介手数料と抹消登記費用等の控除までです。引越しの費用など、それ以外の項目が売却代金から出せるかは債権者の判断で、事前に約束できるものではありません。「引越し代も出せます」という説明を受けたら、誰が、どの書面で認めたのかを確認してください。

モデルケース(実在の案件ではありません)

売却額 2,000万円(土地1筆・建物1棟)
・仲介手数料の上限 72.6万円
・抵当権抹消の登録免許税 2,000円+司法書士報酬(事務所により異なる)
・印紙税 1万円

債権者が控除を認めれば、これらは決済時に売却代金から支払われ、残りが債権者への返済に充てられます。売却後に残る債務の見込み額の出し方は「オーバーローンで家が売れない?」で分解しています。

「コンサル料」「着手金」など別名目の費用を見分ける

この分野には、「任意売却コンサルティング料」「着手金」「事務手数料」などの名目で費用を求める事業者がいます。判断の手がかりは法律の仕組みにあります。

国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」では、宅地建物取引業者は報酬告示の規定によるほかは、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額を除き、報酬を受けることはできないとされています。広告料が認められるのは依頼者が依頼した広告の場合で、業者の判断で行う通常の販売活動とは区別されます。また、仲介手数料は売買価格をもとに計算するものなので、売れる前に確定した額を前払いで求める理屈が立ちにくい費用です。

  • 名目は何か。仲介手数料なのか、広告料なのか、それ以外なのか
  • いつ払うのか。契約前の前払いか、決済時の精算か
  • 誰に払うのか。宅地建物取引業者か、免許を持たない別の会社か
  • 売却が成立しなかったら返るのか。

この4点を書面で確認すれば、多くの場合は判断できます。依頼先が宅地建物取引業の免許を持っているかは、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で調べられます。不安な請求を受けたときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活センター等の相談窓口を案内してもらえます(消費者庁)。

もう1つ注意したいのが、残債の減額まで引き受けるかのような説明とともに費用を求められる場合です。債務の減額や返済条件の交渉を代理するのは弁護士・司法書士の業務で、不動産会社やコンサルタントが報酬を得て代理することはできません。任意売却は「債権者の同意を得て売る」手続であり、借金の交渉を代わりに引き受けるものではありません。

費用を確認するタイミングと残り時間

費用の確認は、媒介契約を結ぶ前に済ませます。住宅金融支援機構の任意売却の流れは、申出書の提出 → 物件調査・価格査定 → 売出価格の確認 → 媒介契約の締結 → 販売活動 → 抵当権抹消の審査 → 売買契約 → 決済、の順です。媒介契約の時点で、仲介手数料の額と、控除の扱いをはっきりさせておくと、決済のときに慌てません。

一方で、費用の比較に時間をかけすぎると、競売の期限が近づきます。柱記事で示したとおり、滞納から競売の入札開始まではおおむね10〜12か月、任意売却の販売活動には6〜11か月かかることがあります(いずれも目安で、金融機関・裁判所・物件により前後します)。入札があった後に競売の申立てを取り下げるには入札した人の同意が必要になるため(民事執行法第76条第1項)、実務上は開札期日の前日が区切りです。自分の段階は「催告書と督促状の違い」「代位弁済通知が届いたら?」「競売開始決定通知が届いたら?」で確かめられます。

目安としては、見積りは1週間以内に2〜3社から書面でもらい、そこで決めると、費用の確認と時間の確保を両立しやすくなります。

相談先の切り分けと、専門家の費用

借金・残債の問題 → 弁護士・司法書士

売却後に残る債務の返済方法や減額の交渉、自己破産・個人再生の検討。これらは弁護士・司法書士の業務です。法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所で扱う訴額140万円以下の事件や裁判外和解などの代理を行えます(日本司法書士会連合会)。金額が大きい場合は弁護士に相談してください。

費用が心配な場合は、法テラスの民事法律扶助を確認してください。収入と資産が基準以下であれば無料の法律相談の対象になり、条件を満たせば弁護士・司法書士の費用の立替えを受けられる場合があります。専門家は日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会から探せます。

家の売却 → 宅地建物取引業者(不動産会社)

査定、売却費用の見積り、債権者への申出と価格確認の段取り、販売活動。費用の内訳を書面で出してくれるかを、依頼先を選ぶ基準にしてください。

不当な請求の相談 → 消費生活センター(188)・免許行政庁

今日できること

  1. 売却費用の見積りを書面で依頼する。仲介手数料・登記費用・印紙税と、それ以外の費用の有無まで書いてもらいます
  2. 債権者に「売却代金から控除できる費用」を確認する。届いた通知書の連絡先に問い合わせます
  3. マンションなら、管理費等の滞納額を管理会社に確認する。
  4. 依頼先の免許番号を確認する。国土交通省の検索システムで調べられます
  5. 借金の相談先を決める。費用が心配なら、法テラスの対象になるかを確認します

費用の名目と上限を知っていれば、不要な支払いは避けられます。分からない請求は、払う前に一度止めて確認してください。

よくある質問

Q. 任意売却の費用は、手元にお金がなくても大丈夫ですか?
仲介手数料や抹消登記費用等は、債権者が認めれば売却代金から控除できる場合があります。住宅金融支援機構もその旨を案内しています。ただし扱いは債権者ごとに異なるため、届いた通知書の連絡先で確認してください。

Q. 仲介手数料はいくらですか?
上限は法律で決まっており、売買価格が400万円を超える場合は税込で「価格×3.3%+6.6万円」です。2,000万円なら72.6万円が上限です。価格800万円以下の物件には、税込33万円以内の特例があります。

Q. 「任意売却は無料」という広告は本当ですか?
仲介手数料などを売却代金から支払うため、売主が事前に現金を払わずに済む、という意味で使われることがあります。費用がゼロになるわけではありません。何が売却代金から支払われるのかを書面で確認してください。

Q. コンサルティング料を請求されました。払う必要はありますか?
宅地建物取引業者は、媒介の報酬の上限を超えて受け取ることができず、報酬以外の名目での受領も原則として認められていません。名目・支払時期・支払先・返金の有無を書面で確認し、判断に迷う場合は消費者ホットライン188に相談してください。

Q. 弁護士や司法書士の費用も必要ですか?
家を売るだけなら必須ではありませんが、売却後に残る債務の整理を検討する場合は弁護士・司法書士への依頼が必要です。法テラスの民事法律扶助で、無料の法律相談や費用の立替えを受けられる場合があります。

この記事について:滞納の味方 編集部(城久株式会社/宅地建物取引業 東京都知事(1)第114307号)が作成しています。不動産の実務に関する記述は、当社の宅地建物取引士が確認しています。

債務整理・債権者との交渉は弁護士・司法書士にご相談ください。 最終更新日:2026年10月27日

運営者情報

🏠 返済が苦しい家の売却のご相談

当サイト運営の城久株式会社がお受けします。当社が買い取るほか、仲介(媒介)でのご売却もご提案します。

対応エリア:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県、茨城県(水戸市まで)・栃木県(宇都宮市まで)・群馬県(太田市まで)
事情のある家も、まずご相談ください。物件の特徴や諸事情をお聞かせいただいて売却方法をご提案します。

借入の整理(返済額の減額や返済条件の交渉など)は当社では行いません。弁護士・司法書士(費用が心配な場合は法テラス)にご相談ください。家の売却のご相談は当社でお受けします。

お電話 03-6824-4499
受付 10:00〜18:00

メールで売却を相談する(無料)

対応エリア外の物件は、任意売却を扱う地元の不動産会社にご相談ください。

城久株式会社/宅地建物取引業 東京都知事(1)第114307号/公益社団法人 全日本不動産協会 会員/東京都江東区豊洲5-6-36 豊洲プライムスクエア10F/取引態様:当社が買主となる売買(直接買取)または媒介

Copied title and URL